裕太容疑者と母親の関係にも衝動性を育てる「芽」があったとみる精神科医の記事です。

高畑容疑者、抑えられなかった“性衝動”と慢心 精神科医「錯覚し続けてきた」
夕刊フジ 8月29日(月)16時56分配信

 前橋市内のビジネスホテルで40代の女性従業員に乱暴したとして、群馬県警に強姦致傷容疑で逮捕された俳優、高畑裕太容疑者(22)。母親で女優の高畑淳子(61)は涙の謝罪会見を開いたが、蛮行に至る息子の“予兆”について報道陣から問われると、言葉に窮するしかなかった。かわいいわが子を救ってやりたい親心もにじませたが、専門家は「衝動性を抑える術を知らずに育った人間が、慢心の末に起こした犯罪」と指摘。更生の難しさがにじむ。

 「どんなに言葉を重ねても、おわびの言葉が見つからない」

 26日、東京都内で開いた謝罪会見で憔悴しきった姿を見せた高畑淳子。事件の原因を問われると「彼の甘さだと思う」と突き放したが、面会した裕太容疑者に「どんなことがあっても私はお母さんだから」と声をかけたことも明かし、それでも見放すことはできない親心をにじませた。

 自身の背中を追い、まっすぐに俳優の道を歩き始めたと思っていた息子の裏切り。裕太容疑者はなぜ蛮行に走ったのか。

 ヒガノクリニック(東京都足立区)の院長で精神科医の日向野春総氏は裕太容疑者の衝動性は、これまでの生活の中で“育てられた”とみる。

 「彼は中学、高校の頃から、周囲が驚くようなことをやってのける子供だったはずだ。時には眉をひそめる人もいただろうが、真剣にたしなめられることはなく、『自分は周囲を喜ばせ、注目を浴びている』と錯覚し続けてきたのだろう。その後、芸能界という華やかな世界に入り、2世俳優ということもあってチヤホヤされる中で天狗となった。『自分は何をやっても許される』との思いを強くしていったのではないか」

 日向野氏はまた、裕太容疑者と母親の関係にも衝動性を育てる「芽」があったとみる。

 高畑淳子は会見で、被害者の女性について「被害者とされる」という表現を用いた。

 なぜこうした表現となったかは不明だが、「『女には気をつけろと言ってきたのに、引っかかってしまった』というような被害者意識を少なからず感じてしまう」と日向野氏。わが子を庇護しなければと思うあまり、息子を知らず知らずのうちに規範意識から遠のかせてしまった側面もあるとみる。

 衝動性を抑える術を学ぶことなく育った大人。そして、その症状を悪化させる“トリガー”の役目を果たしたのが、アルコールだったようだ。

 芸能人はもともと、一般人と比べ、スケジュールが過密で、夜型の生活サイクルになっていることが多い。

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 日向野氏によると、こうした環境下に置かれた人間はいわば脳が弱っている状態にある。そうした中でアルコールを摂取すると興奮状態となり、衝動性はさらに強まる。

 「裕太容疑者は今回の事件で初めて、自分が取る行動には、他人に受け入れられないものがあることを本当の意味で知ったのではないか。犯した罪の重さを考えれば、あまりにも遅い『気づき』だが…」(日向野氏)

 母親との面会では「申し訳ない」と泣きながら震えていたという裕太容疑者。積み上げてきた慢心の末路が、女性暴行という蛮行であったとすれば更生への道は険しい。

 性犯罪者らの更生をめぐっては、法務省は2006年から、再犯を防ごうと「性犯罪者処遇プログラム」の導入を始めている。

 プログラムでは受刑者を再犯リスクなどに応じ「高・中・低」に分類。10人程度(指導者を含む)のグループを作り、自身の性的特徴、事件に至った要因などを特定させ、性的欲求のコントロール方法などを話し合いの中から探らせていく。

 受講の効果については12年に法務省が報告書を公表している。

 それによれば、調査対象者のうちプログラムを受講していないグループの全犯罪の再犯率は29・6%で、受講したグループ(21・9%)よりも再犯の可能性が高かった。

 被害者への贖罪意識を持ち、感情のコントロールを学ぶ術を知った時、裕太容疑者は初めて更生への道のスタートラインに立つことになる。
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